ピンチを主体的に乗り越える
(第85話)ピンチを主体的に乗り越える
危機の危険にこだわって落込むのは成長が止まる会社
危機の機会をつかんで飛躍するのが成長し続ける会社
先日まで日経新聞のスポーツ欄に掲載されていた「花開いた桜戦士」。
W杯で3勝を挙げたラグビー日本代表を振り返った特集記事です。
その中で「おやっ?」と思ったのは、エディー・ジョーンズヘッドコーチ(HC)の退任に関する箇所です。
HCがW杯後退任する発表があった後、
「解放感からか、自分の意見を正直に話す者が激増」
したそうです。
世界的にも有名なHCが退任するというのは選手にとっても少なからずショックだったはずです。
しかも、そのタイミングはW杯の開催前という選手にとっても大事な時期です。
会社で言えば、今まで先頭に立って社員を引っ張ってきた社長が「さぁ、4年かけて開発してきた新商品をこれから売りに出そう」というタイミングで、「今から1ヵ月後に退職して、次はライバル会社の社長に就任します」と発表したようなものです。
普通の会社であれば、社員が動揺し、バラバラになってしまう危険性もあります。
しかし、ラグビー日本代表はHC退任というピンチをピンチとして捉えずに、今まで以上に主体性を発揮するようになりました。
歴史的な大金星と言われる初戦の南アフリカ戦。
残り時間わずかになって先方の犯した反則に対して、ベンチの指示は「ペナルティゴールで同点を狙え」
でも、選手が選択したのは「トライを狙って逆転する!」
この主体性が生まれたのは、HCの退任発表に遠因があったとすれば、W杯後もエディーさんが引続きHCを続けるという状況であったなら、もしかすると、日本は下馬評通り南アフリカには勝てなかったのかもしれません。
会社経営においても、「これは参ったなぁ・・・」という状況は数年に1回は必ずあります。
そこから坂を転げ落ちるように業績悪化に陥るのか、そのピンチをきっかけに皆で踏ん張って盛り返すのか。
一つの慶事に浮かれず、一つの危機に必要以上に動揺しない。
物事は捉え方次第です。
そして、結果がすべてと言っても、その結果も1ヵ月単位で見るのか、5年、10年という長いスパンで捉えるのかで、評価が大きく違ってきます。
もしかすると、今目の前にある心配事は、あなたの会社がもう一段飛躍するために乗り越えなければいけない、そして、必ず乗り越えられる壁かもしれません。
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