チェック項目をチェックする
(第41話)チェック項目をチェックする
いつでも細かくチェックするのは半人前の経営者
いつでも細やかにチェックするのが一人前の経営者
私は公認内部監査人(CIA)という資格を持っています。
そして、この資格を使うためには継続教育制度という仕組みがあります。
講習会に参加したり、テストを受けたりすることで、年間40単位を取得し、その活動を日本内部監査協会に報告することが義務づけられています。
実は先日その資格更新手続きの締め切りだったのですが、昨年までとは報告する内容が大きく変わっていました。
昨年までは、
〇月△日に××講座を受講:8単位
というように、40単位をいつ、どのような形で取得したかについて明細を報告する必要がありました。
でも、今年は
報告対象年の所定の単位を取得済みである
という項目にチェックを入れるだけ!
参加した講習会等の入力欄がなくなり、手続がずいぶん簡素化されていたのです。
この継続教育制度、もし、監査対象に選ばれた場合は、参加等の確認ができる関連資料の提出が求められる場合があるので、少なくとも3年間は関連資料を自分で保管しておく必要があります。
この点は従来から変わっていません。
でも、昨年までは単位を取得した明細についていちいち報告する必要があったのです。
よく考えてみれば、協会には関連資料を提出しません。
このため、協会としては会員が出してきた報告が正しいかどうかをチェックすることはできません。
つまり、監査対象に選ばれない限り、たとえ本人がウソをついていたとしてもばれない構造になっています。
だから、
監査対象として選ばれた人だけ関連書類をチェックして報告が正しいかどうかを調べる
という制度を前提とする限り、
最初の報告時点で明細を書いても不正を防止するという観点ではあまり意味がない
ということになります。
報告する側にとって、明細をいちいち書くのは面倒なので、今回の改定はたいへんありがたいものでした。
そして、
効果の点で同じなら省力化を図る
という決断を下した協会には拍手を送りたいと思います。
さて、会社経営においても
業績アップのため、人材育成のため、不正防止のため
というようにいろいろな項目に渡ってチェックしなければならないことがあります。
けれども、中には
時代遅れになっているもの
効果がないのにただ慣習で続けているもの
単に経営者の嗜好でやっているもの
もあるではないでしょうか。
最近ではかの金融庁も不良債権の減少を受けて、金融検査のチェック対象を変えつつあるようです。
年末に近いこの時期
無駄なチェック項目は捨てる
のも会社の成長のためには必要です。
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