目的に応じた戦略、戦略に沿った戦術
(第143話)目的に応じた戦略、戦略に沿った戦術
戦略も戦術もあいまいなまま頑張るのは成長が止まる会社
戦略と戦術を明確に理解して頑張るのが成長し続ける会社
目的と戦略と戦術。
言葉でそれぞれ定義すると、違いは明らかですが、経営者と社員との間では微妙なすれ違いが生じることがあります。
例えば、東京から大阪へ出張するという場合。
- 目的:大阪の取引先に明日の午後1時に着く
- 戦略:飛行機で行くのか、新幹線で行くのか、バスで行くのか、車で行くのか etc.
- 戦術:切符はどう買うか、出張旅費精算の方法は、乗り換えの方法は、何を持っていくか、誰が一緒に同行するか etc.
となります。
明日の午後1時という期限が目的に入っている以上、歩いていくという戦略は最初から除外されます。
また、安全性を考えると、自分で車を運転していくというのは、戦略上除いて考えるかもしれません。
では、飛行機なのか、新幹線なのか、バスなのか。
乗り鉄である私の場合は、迷うことなく新幹線を選びますが(笑)、これは人によって様々です。
安さ重視でバスを選択する人もいれば、乗っている時間が短いことを理由に飛行機に乗る人もいます。
このあたり、目的については合意できていても、いざ戦略となると、人によってベストの戦略が違ってきます。
そして、戦術。
仮に飛行機で行くという戦略を選択した場合でも、切符の買い方一つとってもいろいろです。
今日決まって明日の出張だと、割引率は低いかもしれませんが、事前に早割を利用したり、貯まっているマイレージを使ったりすれば、経費を抑えることができます。
また、出張に行く際に持っていく資料も、パソコンでプレゼンするのか、紙で渡すのか、1部で良いのか、10部必要なのかによって、準備方法が異なります。
会社の場合、目的についてはほぼ合意ができています。
しかし、戦略や戦術になると、経営者と社員との間で、時には大きな認識の違いが生じている時があります。
その際、まずハッキリさせなければならないのは
これは戦略の問題なのか、それとも戦術の問題なのか
ということです。
たいていは、戦術のところが問題なります。
しかし、掘り下げていくと、そもそも戦略の違いが問題になっていたりします。
大阪への出張という単純な目的ならあまり大きな問題にはならないかもしれません。
しかし、これが、
- お客様の満足度を上げる
- 売上高を前年比3割上げる
- 取引先の数を1,000社にする
という目的だったらどうでしょうか?
一つの目的に対して戦略は複数あります。
そして、一つの戦略を選んでも、その戦略を実行するための戦術は数え上げたらきりがありません。
目的について合意ができたら、次に戦略。
そして、戦略が決まったら、次にどういった戦術で実行するのか。
各項目毎に整理することで、社員の行動基準もハッキリしてきます。
★下記のフォームにお名前とメールアドレスをご登録いただければ、コラム更新時に「成長支援部からの提言」をメールでお送りさせていただきます。お気軽にご登録いただければ幸いです。