意味の分からん発言の真意を探る|成長支援部からの提言(第30話)

意味の分からん発言の真意を探る|専門コラム「成長支援部からの提言」

意味の分からん発言の真意を探る

(第30話)意味の分からん発言の真意を探る

「分からん!」と社員を一喝するのは半人前の経営者
「その意味は?」と一歩踏み込むのが一人前の経営者

意味の分からん発言の真意を探る

今だと数字の計算をする時は、エクセルに数式を入れて計算することが多くなっています。

エクセルのような表計算ソフトがなかった時は電卓を使っていました。


電卓を使う前は数字をタテに並べて

「足し算であれば、次の位に1が繰り上がって」

「引き算であれば、隣りから1を借りてきて」

という具合に計算されたのではないでしょうか。


今年小学校に入学した甥っ子はどうも算数が苦手な様子。

そして、足し算、引き算は自分の指をフルに使って計算しています(笑)。

このため、二桁の数字の計算になると、とたんに計算間違いが多くなる模様です。


実はその彼、今年の七夕の短冊に

「バナナ10本食べたい」

と書いていました。


ユニークと言えばユニークですし、子供らしいと言えば、子供らしい表現かもしれません。

果物好きなので、「バナナを食べたい」というのはなんとなく分かります。

でも、「なぜ10本なのか?」はしばらく謎のままでした。


そして、甥が

二桁の数字になると計算ができなくなる

という事実が分かってようやくその謎が解けました。


つまり、彼にとっては「10=理解できる最も大きい数」であったのです。


だから、

「バナナをできるだけたくさん食べたい!」

という希望が

「バナナ10本食べたい」

という表現になったものと思われます。


さて、経営者も社員の発言に対して、

「それ、どういう意味?」

とイラッと感じる時が時々あるかと思います。


その時

「もっと分かるようにしゃべれ!」

と頭ごなしに怒鳴りつけるのではなく、

社員がなぜその言葉を使ったのかについて、もう一歩踏み込むと、社内のコミュニケーションももっと深くなります。


何か問題が起きた時、

「なぜやらなかったのか?」

と質問すると、

「えっ、それは、つまり・・・」

としどろもどろの答えをする社員がいます。


でも、その社員はたいていの場合、自分でその原因が分かっています

つい面倒くさいからやらなかった。

言われていたけれどすっかり忘れていた。

先方とちょっとトラブルがあるのでできなかった。 etc.


面倒くさいという場合は業務のやり方の中に非効率なところがあるからかもしれません。

つい忘れてしまったのは、情報伝達の手段が口頭に偏っている恐れもあります。

また、先方とのトラブルは大きな損害発生の予兆である可能性も。


このように理解しにくい発言の裏には多くの問題が潜んでいます


経営者と社員とでは仕事に対する取組み姿勢も責任の重さも全然違います。


そして、社員の場合、何か問題を抱えている時は

「なんとか上手く言い繕って怒られないようにしよう」

という心理が働くのは当たり前です。


このため、

社員に一歩踏み込んだ発言を期待する

のではなく、

経営者が自ら一歩踏み込んで発言の真意を探る

という姿勢が大切です。


私は最近になって子供の頃の親との関係が今でもいろいろなところに影響していることに改めて気づきました。


会社で言えば、経営者は親で社員は子供。

経営者の言動は思った以上に社員にいろいろな影響を与えています。


会社の潜在的な問題点を早い段階で発見できるか、深く埋もれたままで後の火種を残すのかは経営者の日頃の心がけ次第。


一歩踏み込む勇気はまず経営者からです。


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Tag: コミュニケーション 一歩踏み込む 経営者

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